Case Study

データ利活用の民主化を支えるDYNATREK 北陸銀行 五十嵐幹氏が語る、営業店で使われるデータの仕組み
北陸銀行 営業統括部
営業推進室 調査役 五十嵐 幹 様
事例概要
DYNATREK STORIES vol.01

北陸銀行は2016年にDYNATREKを導入。本部がデータを使いやすい形に整え、検索機能として営業店に提供することで、データを扱える人の裾野を広げてきた。営業統括部では2024年6月の試算で年間約2万時間の業務削減を確認している。

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Interview

インタビュー映像

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はじめに

データを使う人を、増やしてきた

「データ利活用のツールって、いわゆる水道の蛇口みたいなものかなと思っておりまして」
DYNATREKをどのような存在と捉えているか。そう尋ねると、北陸銀行 営業統括部 営業推進室の五十嵐幹氏は、水道の蛇口にたとえて説明した。
「昔の人って、水を得るためにバケツを持って川まで行って汲んできて、っていうのを繰り返して、『ああ大変だ、大変だ、でも水を汲んでくるのは私の仕事だしな』というところで、データ利活用でも似たようになんとかしていた、というところがあるかと思うんです」
必要なデータを集め、加工し、使う人に届ける。その作業を一人ひとりが繰り返すのではなく、仕組みとして整えておく。五十嵐氏の比喩には、営業店への情報還元を進めてきた経験が表れている。北陸銀行がDYNATREKを導入した2016年から、約10年。分析ツールのDYNATREKへの統一、業務効率化の効果と、データを日々の活動につなげる工夫について聞いた。

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データを届ける

営業店が使いやすい形でデータを届ける

営業統括部は、営業店の予算策定や実績の集計・評価などを担っている。北陸銀行がDYNATREKを導入したのは2016年。五十嵐氏は、出向から本部に戻った2017年4月から利用している。
五十嵐氏が当初から評価したのは、利用者がデータの構造を細かく意識しなくても、業務に必要な情報を取り出せるよう、あらかじめ設定できる点だった。
複数のデータを組み合わせる作業を利用者自身が行う場合、ExcelやAccessなどを扱う作業が発生する。そこで利用者がデータを使いやすい形に整え、検索機能として営業店に提供することで、負担を軽減している。
「ユーザーが使いやすいように設定した上で、広く公開できるっていうところが非常に強みなんだな、というふうに感じます」
データを取得する機能だけでなく、営業店が日々の業務で使える形に整えて届けることを重視してきた。

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工数の試算

DYNATREKがなかった場合の工数を試算する

DYNATREKがなかったら、いまの業務にどれだけの時間が必要になるのか。北陸銀行では2024年6月、そうした観点から工数を試算した。対象は主に営業統括部の業務で、すべてを網羅するのではなく、影響の大きいものから確認していったという。
「その時はだいたい、今やっている中だけでも年間2万時間ぐらいは業務削減できている。逆に言うと、ダイナトレックがもしなくなってしまったら、それだけの工数が実はかかっている、ということが分かりました」
さらに、当時これから取り組みたいと考えていた施策を積み上げると、年間約1万5千時間相当の削減余地があると見込まれた。五十嵐氏によれば、取材時点で、そのうち半分以上が実現しているという。
「実際はもう3万時間ぐらいにはなっているのかなと思います」
年間約2万時間は2024年6月の行内試算、約3万時間はその後の取り組みを踏まえた取材時の概算だ。いずれも主に営業統括部で確認した業務についての説明であり、全行の業務を網羅した数値ではない。
この試算で大きな効果が見られた業務の一つが、営業店への実績還元だった。約100の 拠点に向けて集計結果を店別に分け、手作業で毎月・毎週配付していた業務を見直し、営業店が自店の実績を必要なときに確認できる定型の検索画面を提供した。
「好きな時に見られるようにした、というところが一番インパクトとしては大きかったのかなと」
五十嵐氏は、利用者が多く、利用頻度も高い業務での活用が、生産性向上に寄与したと振り返る。

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対象先まで示す

施策と具体的な対象先を同時に示す

営業店への情報提供は、実績の確認にとどまらない。本部が新たな商品や施策を案内する際には、営業店がアプローチの対象先を確認できる検索機能を併せて用意している。
「施策のアナウンスをしながら、同時に『もう検索として準備しましたので、あなたの店の場合はどういう対象先かを確認してください』みたいなことをよくやります」
営業店では、本部の案内を受けてから自ら対象先を抽出する手間を減らし、具体的な活動の計画を立てやすくなる。五十嵐氏は、こうした情報還元が現場のPDCAを進めるうえで役立っていると感じている。
営業店から寄せられる問い合わせも、検索機能を充実させる手がかりにしている。同様の質問が複数の営業店から寄せられた場合には、その情報を確認できる検索機能を作成し、他の営業店も利用できるようにする。個別の回答を共通の仕組みにすることで、以後の問い合わせ対応を減らす工夫だ。
さらに、新しい検索機能の案内が、他店の着眼点を知るきっかけにもなっているという。
「『他の店はこういうことを気にしながら活動してるんだな』っていうのが伝わって、ノウハウの展開にも繋がっているかなと思います」

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蓄積したノウハウ

蓄積した業務ノウハウを生かす

DYNATREKの継続利用について、五十嵐氏は、導入後に積み重ねてきた活用ノウハウを重視している。日々の業務で使う帳票や、確認すべき情報が整理されていることが、利用を支える要素になっている。
「決まった見たいポイントがタイムリーに見られる、少ない操作で見られる、といったところの方がメリットが大きいのかなと」
必要な情報を少ない操作で確認できること。その使いやすさを、五十嵐氏は実務を通じて評価してきた。
また、ダイナトレックが金融機関との取引を通じて蓄積してきた業務知識も、相談のしやすさにつながっているという。銀行の業務を踏まえた提案や他行の活用事例の紹介が、新たな取り組みを検討する際の参考になっている。

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ユーザー会

ユーザー会の事例を自らの業務に生かす

活用の幅を広げる機会として、五十嵐氏が挙げるのが、ダイナトレックのユーザー会だ。他の金融機関の取り組みに触れ、自行で実現したいことや、これまで気づかなかった活用方法を考える場になっている。
「『もう思ってるけど出来てなかったこと』とか、『思ってもみなかったいい事例』に触れさせていただけるっていうのは、非常に貴重な機会だなというふうに感じております」
関心を持った事例について、ユーザー会からの帰路に、詳しく話を聞きたいとメールを送ることも多いという。同じツールを使っている金融機関の事例は、自行の環境で何ができるかを具体的に検討しやすい。
その一例が、顧客に対する案件の進捗を管理し、営業店ごとに状況を可視化する仕組みだ。五十嵐氏は、数年前のユーザー会で他行の事例を知って以来、導入を検討してきた。
自行のシステム環境の変化を受けて、ダイナトレックに相談し、2026年3月末から運用を開始したという。
「数年がかりで『やりたい、やりたい』と思ってたやつ、やっとできたなと思ってます」

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BIとAI

用途に応じたBIとAIの活用を考える

今後のデータ利活用について、五十嵐氏は、BIとAIを用途に応じて活用していくことが大切だと考えている。
「AIもBIも、広い意味ではデータ利活用の一環であるのかなと思ってまして。その、向いている用途に向いているツールを使っていくのがいいのかなと思っています」
集計業務を担う立場から、五十嵐氏が重視しているのは、同じ条件で処理したときに同じ結果を得られることだ。正確性や再現性が求められる集計については、引き続きBIツールを活用し、利用者が簡単に数値を確認できる仕組みを整えていきたいという。
一方で、自然言語で操作できるAIの使いやすさには期待を寄せている。BIによる集計とAIの操作性を組み合わせることで、本部や営業店でのデータ利活用の幅が広がる可能性があると見ている。
そのためにも、必要なデータを集め、まとめて取り出せる環境を整えておくことが重要だと、五十嵐氏は指摘する。

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データ利活用の民主化

蛇口をひねるようにデータを使える環境へ

冒頭の水道の比喩に戻ろう。五十嵐氏が伝えたかったのは、データを得るまでの手間を仕組みに置き換えることで、使う人の裾野を広げられるということだった。
「水道管を引くのと同じで、データを使える仕組みを整えるには、それなりの手間がかかります。ただ、一度整えてしまえば、あとは蛇口をひねるように、誰でも簡単に必要なデータを得られるようになるんです」
営業店が必要なときに実績を確認できる。施策の案内と同時に、自店の対象先が分かる。同じ問い合わせが重なれば、その答えを検索機能にして共有する。北陸銀行では、本部で培った業務ノウハウを、営業店が自ら使える形に整えてきた。
五十嵐氏は、こうした取り組みを「データ利活用の民主化」と表現する。
「そういった『データ利活用の民主化』に、北陸銀行としては大きく貢献していただいているツールになってるんじゃないかな、というふうに思います」
データを集める作業に費やしていた時間を減らし、必要な情報を日々の活動に生かす。バケツで水を運ぶところから、蛇口をひねって使うところへ。五十嵐氏の言葉は、北陸銀行が積み重ねてきたデータ利活用の変化を伝えている。


取材・撮影:2026年7月3日
※所属・役職および記事内容は取材時点のものです。

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Interview

インタビュー映像

企業情報
北陸銀行は、長い歴史を背景に北陸三県・北海道、三大都市圏にわたる12都道府県にお客さまや情報基盤を有し、さまざまなソリューションを提供する広域金融機関です。

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