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2021.09.13
kanazawa

ダイナトレック、仮想データ統合ツール「DYNATREK®」を用いて石川県羽咋市における住民の健康データを統合検索するデータ研究基盤を構築--住民の健康づくりや予防対策、医療費利用の効率化に向けた研究を実施へ


ニュースリリース原文

 株式会社ダイナトレック(本社:東京都港区、代表取締役:佐伯 譲二、以下「ダイナトレック」)は本日、金沢大学の異分野融合研究プロジェクト「地域包括ケアとエリアマネジメント研究会」(石川県金沢市、学長:山崎 光悦、羽咋研究プロジェクト代表:寒河江 雅彦、以下「金沢大学」)と共同で、石川県羽咋市(市長:岸 博一)向けに、住民の健康関連データを分析するデータ研究基盤構築の第一段階が完了したことを発表しました。同基盤においては、ダイナトレックが開発・販売する仮想データ統合ツール「DYNATREK®」(以下「DYNATREK」)を用いています。

 羽咋市役所及び金沢大学は、同市役所が保有するレセプト(*1)や健康診断に関するデータ統合検索をより効率的に行うことが可能となり、住民の健康づくりや疾病予防政策の策定に役立てられる見込みです。尚、本プロジェクトでの研究対象データはすべて金沢大学構内で厳密に管理されており、ダイナトレックは当該データを検索するソフトウエアを提供しています。

 昨今、国内で急速に進む高齢化のなか、健康寿命の伸長ならびに医療・福祉の効率化は喫緊の課題となり、これらに関するICTの利活用も求められています。2020年度からは厚生労働省内にも「データヘルス改革推進本部」が設置されるなど、官民を挙げた検討が進められています。しかしながら、施策立案のベースとなるデータは、部門や業務ごとに分散しているため、情報のより迅速な共有に大きな障害となっています。例えば自治体において健康診断とレセプトのデータを統合して分析を行う際にも、現状として異なるデータフォーマットで保管されているため、それらを横断して検索する場合には多大なデータの統合作業が発生します。

 今回、羽咋市と金沢大学は、住民基本台帳データ、介護医療保険データ、国民健康保険データなどを仮想データ統合検索ツール「DYNATREK」を用いて紐づけを行い、住民セグメントの食生活や健康診断受診状況と成人病発症の相関性の分析をはじめとした、的確な医療政策の実施のためのデータ分析環境を構築しました。

 羽咋市は、2015年に策定した成長戦略「がんばる羽咋創生総合戦略」に掲げる重要施策をテーマに、金沢大学と地域包括ケア・健康寿命の延伸等の共同研究を行っています。2021年2月には羽咋市と金沢大学にて包括連携協定を締結し、この中の重点連携事業「健康寿命の延伸、介護予防に関する共同研究」に関する一環として行われています。

今回、分析を行う市民データは、羽咋市と金沢大学が秘密保持規定に基づき、厳格なルールのもとに管理を行っています。個人の特定につながる情報は暗号化して統計的な解析処理を行っており、また利用するデータの処理は同大学内の特定の端末に限るなど、徹底的な情報管理の下で本プロジェクトを実施しています。  

金沢大学では、今回構築したデータ統合分析環境を用いて、サステイナブルな地域医療行政の確立のために必要な政策分析など、住民サービスの向上につながる学術分析を更に拡充させる方針としています。

【用語解説】 レセプト (*1): 医療サービスにおいて、患者が受けた保険診療について、医療機関が保険者(市町村や健康保険組合)に請求する医療報酬の明細データのこと。

DYNATREK について 仮想データ統合ツールDYNATREKは、当社グループが1980年代より開発を進める「仮想統合技術」(日米特許取得済)を用いた製品です。 現在、DYNATREKは日本国内の25行の地方銀行・第二地方銀行に導入されており、金融機関のほか、通信事業者・官公庁・製造業などのお客様において、大規模な統合情報基盤として利用されています。