2つのデータソースから構成される情報系システムを運用してきたニチバン株式会社(以下、ニチバン)は、DynaTrek 4で情報分析基盤を一本化することを決断。これら2つのデータソースに対して透過的にアクセスし、高度なデータ検索を可能にした。現在、全社員のほぼ半数にあたる350 人のユーザーが利用し、個人がローカル環境で保有してきた分析ノウハウをユーザー自身が帳票テンプレートとして登録または共有。稼動後1 年間で約2,000 の帳票テンプレートが登録・活用されている。
ニチバンは従来、必要な業務情報を長年運用を続けるメインフレームから吸い上げ、DWH(データウェアハウス)として機能するRed Brick に格納。各ユーザーが必要な情報にアクセスし、分析することで戦略的な意思決定に役立てられる環境を構築してきた。その後、販売管理システムのオープン化により導入されたOracle Apps により、販売系のデータはOracle データベースに保存されることになった。
情報システムグループ
マネジャー
安藤 洋樹氏
同社 情報システムグループマネジャー安藤 洋樹氏は、「これにより、メインフレームから転送される販売系サマリデータ、生産、マスタ系などのデータを格納するRed Brick と、販売(明細)・在庫系データのOracle という2 つのデータベースが併存することになりました。このため、ユーザーが業務に必要な情報を取り出して統合的に分析するためには、これら2つのデータソースにそれぞれ目的に応じてアクセスする必要が出てきたのです」と話す。
実際には、Oracle Apps の処理負荷を下げるために、販売系の明細データはOracle に置いている一方、集計データはRed Brick に移しているなど、Red Brick とOracle の垣根は明確でない。このように情報が分散管理されるシステム環境は、ユーザーが業務に必要な情報を自由に活用することを難しくしていた。情報システム部門でも、アクセスコントロールを実施するにあたって、部門や役職ごとに必要な権限をセットした役割情報を作成し、各ユーザーに権限を付与する作業を2 つのデータベースに対して行うなどの手間が大きかった。また検索のテンプレートは各ユーザーのPC で管理していたため、どのような検索をユーザーが日常的に行っているかを把握するのが困難だった。
これらの課題を解決するため同社は、情報活用基盤を整備するプロジェクトに着手。2 つのデータソースを統合管理し、ユーザーが自由に分析できるWeb ベースのBIツールの検討を開始した。複数ツールの比較にあたっては、Red Brick とOracle に接続可能で、データソースに対する高度な検索機能を備えていることを要件とした。このほか、使用できる関数が豊富なこと、リッチで使いやすいユーザーインタフェースを備えていること、アクセス管理やログ管理が可能なこと、コストなども重要な項目として評価した。コスト面では、ほぼすべてのビジネスユーザーがシステムを使うことを想定し、ユーザーライセンスではなくCPU 単位で課金するライセンス体系を採っていることが前提となった。結果、2008年8 月、すべての要件を満たし、総合的に最も優れていると判断したDynaTrek 4を採用することを決めた。インストールとセットアップ、管理者トレーニングなどを経て、本格的な開発を開始したのは同年12 月。ニチバン社員の手によって定型の検索処理を迅速に実行するための共通テンプレートを約300件登録し、開発開始の2 カ月後である2009 年2 月に本格運用を開始させた。
情報活用基盤を新たにDynaTrek 4 に1本化したことで、ユーザーはアクセス先を意識することなく、Web ブラウザからDynaTrek 4 にアクセスするだけで、RedBrick とOracle から直感的な操作で必要な情報をタイムリーに取り出し、自由に利用できるようになった。現在は、経営層やマネジメント層、および営業スタッフなどを中心に活用が進み、全社員のほぼ半数にあたるの350 人のユーザーがDynaTrek 4 を利用している。たとえば、メディカル事業部門では、ドラッグチェーンなどの小売店から入手したPOS データや販売代理店からの出荷実績データ(卸販売データ)に基づいて、効果的なインセンティブの付与や戦略的なキャンペーンを企画している。
安藤氏は、「品目コード、出荷ロット、出荷先、および納品日などのデータをクロス集計できるため、トレーサビリティの体制も盤石になりました。これは、商習慣上これらの体制が求められるメディカル事業を展開するわれわれにとって大きな成果です」と話す。加えて、研究開発部が新たに開発した商品の売れ行きをチェックするために販売データを閲覧したり、全社横断的な情報活用がDynaTrek 4 の導入により促進されている。
また、ユーザーにとって大きなメリットは、分析ノウハウの共有だ。ユーザーが自身のクライアントPC にExcel などの形式で保存してきた分析ノウハウを、システムに登録できるようになったため、いまでは約2,000 件のオリジナルテンプレートが登録されている。暗黙知が形式知として共有・再利用されてきたわけだ。
システム管理・運用の面からも成果は出ている。これまでは、各ユーザーが作成したひな型を使った分析でエラーが発生した場合、送付されたひな型を情報システム部が解析し、適切な形式に修正して各ユーザーに戻すというプロセスを踏んでいた。これがDynaTrek 4 になると、システム管理者がサーバ上でユーザーの検索履歴を見ながら、処理に時間がかかっていたり、エラーが発生したりしているプロセスをリアルタイムに把握し、迅速にユーザサポートを提供できるようになった。
また、ログ情報からシステム運用における優先度を明確化した。販売実績や販売出荷、得意先販売粗利、製商品販売粗利、原材料仕掛品マスターなど、最も閲覧されているデータ項目に優先対応し、ユーザーの満足度を高める施策も実施している。「DynaTrek 4 を軸にした情報活用基盤の構築によってユーザーのデータ活用が大きく推進されました。また、導入から運用に至るまでキューブの構築・修正が一切不要であったため、情報系システム運用の大きなコスト削減となりました。ベンダサポートの対応も非常に良く、大変満足しています」(安藤氏)
ニチバンは今後も、DynaTrek 4 を軸にした情報活用基盤の拡充を目指す。今後は会計系との連携など、DynaTrek 4 を軸にした社内データの統合を進め、ビジネスをより一層加速できる環境を整備していきたい考えだ。
本非鉄金属加工会社は日本各地に拠点が分散しており、在庫管理システム及び生産管理システムが拠点毎に各々稼動していたために、製品マスタや顧客マスタなども個別に運用されていた。 そのため、拠点毎の在庫の重複や、顧客からの注文に対する各拠点の在庫・生産情報の連動ができず、全社単位での在庫管理及び生産管理を行う必要があった。内容
このような状況においてDynaTrekが採用された決め手は、「分散したシステムを仮想環境上で統合できること」であった。
本プロジェクトでは、第一フェーズとしてマスタデータを本社にて一括管理し、各拠点には在庫データや受注データ等を保持することとした。
DynaTrekの導入期間は3ヶ月であり、本社のマスタデータと各拠点に存在する実データを自由自在に統合することを可能とし、顧客からの注文に対する各拠点の在庫・生産情報の連動を実現した。
本消費財製造会社では、従来はERPを用いた粗利益管理を行いっていたが、市場競争の急速な激化により、営業各部門の明細データを加味したより詳細な管理会計の必要性が生まれた。
しかし、予算及び期間的にERPの機能拡張による実装は難しく、短期間・ローコストで明細データを用いた管理会計機能を提供することができるソリューションが求められていた。
このような状況においてDynaTrekが採用された決め手は、「短期間・ローコストでERPと連動した管理会計機能を提供できること」であった。
本プロジェクトでは第一フェーズとして、紙やExcelなどで管理されていた販促費データ、及び経費データの明細情報をDB化した。
販促費DB、経費DBはDynaTrekによって基幹システムと仮想的に統合され、例えば個別製品ごとの販促費管理、品番ごとの流通経費管理が可能となり、これまでに見逃されていた余剰コストを大幅に削減することに成功した。
DynaTrekの導入期間はわずか1ヶ月であり、またパッケージ費用としても1000万円以内に抑えることができ、顧客から提示された要件を満たすことができた。